漆喰壁と珪藻土壁の違いや、価格・値段の違いとは?
漆喰壁と珪藻土壁の違いや、価格・値段の違いとは?
漆喰と珪藻土は同じ自然素材の建材として、お家の外壁や内装材として使われています。
漆喰も珪藻土も調湿性がありますね。
その中でも、調湿性は珪藻土の方が上といわれています。
しかし、珪藻土は自ら固まる性質がないので、化学糊が多く混ぜられていることがあります。
こうなると、珪藻土の調湿性を十分に発揮できていないものもあるので、注意が必要です。
燃えにくい、火に強い点も、共通しています。
防音性、お部屋のにおいを消してくれる消臭性なども共通しています。
それでは、漆喰と珪藻土の違いはどこにあるのでしょうか。
・カラーバリエーション
比較的カラーバリエーションが豊富なのは珪藻土の方でしょう。
市販されているDIY用の珪藻土を見ても、様々な色の珪藻土があります。
市販されている漆喰にもたくさんの色がありますが、どちらかといえば珪藻土の方がカラーバリエーションが豊富だと感じます。
これは、珪藻土がその材質上、真っ白な色がでないからかもしれません。
白色ではなく、乳白色のような色になります。
一方で漆喰は、何も入れなければ真っ白になります。
・消臭性
消臭性に関しては、漆喰と珪藻土どちらも持っていますが、お部屋に入った印象では、漆喰の方がより空気のきれいさを感じます。
素人の人がDIYで塗った漆喰のお部屋ではなく、あくまで左官職人が漆喰を塗ったお部屋に入った印象です。
感じ方は人によって変わるかもしれませんが、漆喰の方がより空気の良さを感じます。
・内装材としての歴史
漆喰の建物の内装材としての歴史は、ピラミッドの時代から使われているので、数千年ということになります。(5000年とも言われます)
外国の世界遺産になるような建築物にも、漆喰は多く使われています。
日本でも、古くからお城や武家屋敷などには使われていました。
それまでは裕福なお家柄のお家にしか漆喰は使われていませんでしたが、江戸の大火事が起きた後は、漆喰の燃えにくい“耐火性”が注目され、一般的な屋敷にも使われるようになったといいます。
今現在、あまり日本の建物に漆喰が見られない理由は、第二次世界大戦で多くの日本の家屋が崩壊してしまった後に、早急にたくさんの家を建てないといけなくなったからです。
左官職人がコテを使って壁塗りをする漆喰よりも、誰が貼っても同じような仕上がりになるビニールクロスの家が普及していきました。
ちなみに、今の日本の家の90パーセントがビニールクロスです。
一方、珪藻土の方ですが、建材として使われ始めたのはここ30年ほどです。
漆喰の数千年の歴史と比べるとだいぶ最近の話になりますが、珪藻土自体は、浄化性を生かしてアルコールのビールのろ過や、燃えにくい耐火性を生かした七輪などの材料として使われてきました。
最近ですと、珪藻土はバスマットとして名前が広まった感がありますね。
すごい勢いで水を吸って、すぐに乾いていく様子はテレビでも頻繁に放送されていました。
建材としての歴史はまだ浅いですが、今後は漆喰と並び2大内装材として使われていくでしょう。
・仕上がりの表面の質感
漆喰と珪藻土の仕上がりの質感はかなり違います。
漆喰はつるつるした仕上がりで、珪藻土はざらざらした仕上がりになります。
このため、珪藻土を平らな仕上げにするのは難しくなります。
どちらがいいかというのは個人の好みによりますが、珪藻土の場合、小さいお子さんが誤って壁に体をこすったりしたら、すりむいてしまう可能性があります。
・珪藻土と漆喰の成り立ち
漆喰は水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とした建材で、太古の貝殻や珊瑚の化石からできています。
珪藻土は藻類の一種である珪藻の殻の化石の堆積物で、珪藻の殻は二酸化ケイ素(SiO2)でできています。
このように、同じ自然素材ですが成り立ちが異なるので、塗った後の表面の質感も異なります。
・漆喰は強アルカリ性
漆喰は固まる前は強アルカリ性なので、DIYで漆喰を塗る際には扱いには注意が必要です。
自分で天井に漆喰を塗る場合は、目に漆喰が入らないように気を付けて下さい。
ゴーグルを着用して塗る方がいいです。
また、肌が弱い方が漆喰にじかにさわると肌荒れを起こす可能性があります。
子供さんがいらっしゃる場合は、勝手にさわらないように注意しておきましょう。
珪藻土もアルカリ性なので気を付けてください。
・漆喰の匂い
漆喰は、塗った直後は少々海のようなにおいがします。
時間がたてばにおいははなくなっていき、消臭効果を発揮してくれますが、塗った直後はにおいがするということは覚えておきましょう。
お子さんなど、このにおいが苦手な場合は、ほかのお部屋にいてもらうか、換気をしましょう。
・漆喰と珪藻土の値段の違いについて
この違いに関しては、DIY用の材料と、左官職人にお願いする場合の値段の違いを比較します。
まず、DIY材料の漆喰と珪藻土の値段の違いについてです。
以前は、漆喰よりも珪藻土の方が割安感がありましたが、今では同等か、珪藻土の方が少し高くなっている傾向にあります。
これ以外でも、材料が持つ性質や、色が入っているかどうかなどで値段は変わってきます。
次に左官職人にお願いする場合の値段の違いです。
こちらに関しても、漆喰よりも珪藻土の値段の方が少々高くなっている傾向にあります。
漆喰も珪藻土も同じ塗り壁なので、下地の材質が何なのか(せっこうボードなのか、ビニールクロスなのか)、下地の状態がいいのか悪いのかによって値段は変わります。
・内装材ではなく、外壁としての違い
漆喰と珪藻土はお部屋の壁だけでなく、外壁材としても使われます。
外壁用とお部屋の壁用は同じ配合率の材料ではありませんが、比較的外壁には珪藻土の方が向いています。
お家の屋根の出っ張っている部分【軒(のき)】が長ければ長いほど外壁に漆喰を塗るのに適していますが、これは、雨にぬれると漆喰に雨だれのような跡がついてしまうためです。
珪藻土にもこの跡はつきますが、漆喰よりは珪藻土の方が向いているといわれています。
あと、表面がざらざらしている珪藻土の特徴も外壁向きです。
今では、漆喰や珪藻土ではなく、ジョリパッドという名前の外壁材がありますので、外壁のリフォームを検討されている方は、ジョリパッドの方も検討してみて下さい。
・DIYで塗る漆喰・珪藻土と、左官職人が塗る漆喰・珪藻土の違い
DIYで塗る漆喰と珪藻土の場合、材料はホームセンターで市販されているものか、ネット上で通販されている材料を使うことになります。
左官職人の方は、市販されている材料を塗る場合や、左官職人が自分で材料を配合し、表面を丈夫にするために配合を変えたり、シックハウス症候群対策で自然素材のみを使ったりと、さまざまなパターンがあります。
たとえば、左官職人が配合した漆喰を素人さんがDIYで壁に塗ろうとした場合、おそらくうまく塗ることはできないでしょう。
壁塗りをしっかりと学び、修行した左官職人は、無駄な量の糊、接着剤を使うことがないからです。
市販されている材料は、基本的に素人の人がDIYしやすいように、固まりやすくなっています。
固まりやすいのは、糊や接着剤が多く含まれているからです。
固化材や化学糊が多く混ざっていると、漆喰や珪藻土が本来持っている調湿性が失われてしまいます。
これも、漆喰・珪藻土の材料を作っているメーカーによってかなり差があるため、安すぎるものには注意が必要かもしれません。
工事にかかる費用、値段に関しては、DIYより左官職人にお願いする方が高くなります。
本日の記事は以上になります。参考になれば幸いです!
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