珪藻土壁のデメリットを3つ取り上げてみました。
珪藻土のデメリット
珪藻土(けいそうど)は家の壁に塗る自然素材の壁材として、近年注目を集めています。
「珪藻土という名前は知っているけれども、実はなんなのかがよくわからない」
こう思ってしまうのも、珪藻土のデメリットの1つかもしれませんね。
なので今回は、珪藻土のデメリットを中心にお話ししていきます。
珪藻土のデメリットとして考えられるもの
・壁に塗る内装材としての歴史が浅い
・同じ自然素材の壁材である漆喰と比べると、自ら固まる性質がない
・出来上がりの表面がざらざらする
それでは、順番に見ていきましょう。
・壁に塗る内装材としての歴史が浅い
自然素材の内装材として珪藻土が使われ始めたのは、ここ20年から30年ほどです。
これは、同じ自然素材の内装材である漆喰と比べるととても歴史が浅いといえます。
漆喰はピラミッドの壁に使われていたり、海外の歴史的な建物に使われていることから、その歴史は5000年とも言わています。
5000年と20年とでは、比較にならないくらいの差がありますね。
では、なぜ近年内装材として珪藻土が使われるようになったのか。
それは、顕微鏡で5000倍にまで拡大しても、珪藻土にミクロ単位の小さな穴があるからだと言われています。
内装材に使われる前は、珪藻土の燃えにくい性質を生かして七輪に使われていたり、浄化性を生かしてビールのろ過などで使われていました。
しかし、珪藻土にはミクロの穴がたくさんあるということで、調湿性が見込める⇒家の壁に塗ればどうだろうか、という流れで内装材になったのではといわれています。(※諸説あります)
珪藻土も漆喰も呼吸する壁といわれ、調湿性が魅力のひとつですが、調湿性だけならば同じ自然素材の漆喰より上です。
しかし、珪藻土は自ら固まる性質がありませんし、粘着力を持たずそのままだと壁にくっつけることができません。
珪藻土に糊、接着剤を混ぜてはじめて壁に塗れるようになります。
この糊がどのような性質のものかによって珪藻土が持つ調湿性に影響がでます。
また含まれる糊・接着剤の量が多すぎると、珪藻土がもつミクロの穴をふさいでしまうことになるため、調湿力を弱めてしまうのです。
ただ、たとえ弱めてしまっても、漆喰より調湿性が優れる珪藻土材料もありますので、使う材料のことはある程度知っておくといいでしょう。
・同じ自然素材の壁材である漆喰と比べると、自ら固まる性質がない
漆喰は壁に塗ると二酸化炭素を吸収し元の石灰岩に戻っていきます。
珪藻土は熱を加えないと固まりません。それだけでなく、熱を加えないと不純物が取り除けませんし、耐久性もつきません。
珪藻土が調湿性に優れていると言われているゆえんは、目には見えないナノミクロン(1ミリの1万分の1)単位の穴がたくさんあいているからです。
この超多孔質構造により、調湿性や脱臭性などを実現しているのですが、熱を加えすぎると多孔質構造は壊れてしまいます。
具体的には、800℃までの焼成なら機能の維持が可能ですが、1000℃になると機能がガクッと落ちます。
(朱郷慶彦さんの著書【珪藻土の秘密】参照)
900℃で焼成できればいいのですが、低温で焼くと珪藻土は十分に固まってくれません。
ここにジレンマがあるといわれています。
調湿性では漆喰をしのぐと言われている珪藻土でも、焼成や珪藻土を固めやすくするために混ぜられる糊(のり)によって、多孔質構造が壊れてしまったり多孔質構造が塞がれてしまうと、その性能を発揮できません。
このような経緯で、自ら固まることができないことが珪藻土のデメリットとして挙げられます。
【漆喰には自分で固まる性質がありますが、それでも壁に塗るために糊は使います。】
以上が自ら固まる性質がないというデメリットの概要です。
・出来上がりの表面がざらざらする
珪藻土の仕上がりは、表面がつるつるの漆喰とは異なり、ザラザラ・ゴツゴツします。
家にやんちゃな年頃のお子さんがいらっしゃるのであれば、このザラザラした質感は、少々危ないものになる可能性があります。
壁に体をこすってしまうと、擦り傷が出来てしまう恐れがあるからです。
逆にそのような心配がない場合は、表面の質感はデメリットではなくなるでしょう。
漆喰の表面はつるつるしていて、光が当たると少しテカテカしているように見えます。
珪藻土はどちらかというと、光が当たってテカテカしない感じなります。
こういった理由から、珪藻土は平らに仕上げるよりも模様(パターン)を付けるのに向いているのです。
今は、プロヴァンス風の模様が人気になっていますね。
以上、珪藻土の3つのデメリットを書いてみました。
しっかりとした会社が販売している珪藻土ならば、これらのデメリットについて何らかの対策はなされています。
珪藻土には調湿性などのメリットがたくさんありますので、珪藻土をお部屋の壁に検討している方は、一度見積もり依頼をしてみて下さい。
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